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2013年3月 8日 (金)

爽やかな海風と熱き血潮を響かせるバグパイプ界のスーパースター、カルロス・ヌニェス

今回の私のお気に入り音楽紹介は、スペインのリコーダー&バグパイプ吹き、カルロス・ヌニェスです。

スペインというと、闘牛とフラメンコをイメージする方が多いんじゃないでしょうか。あとはパエリアとかトルティーヤとか、そういう食べ物系でしょうか。

ただ、ひと口にスペインと言っても地域によって文化が違っていて、たとえば北西部に位置するガリシア地方というところは、アイルランドやイギリスなどと同じケルト文化圏に属するとされる地域です。

雨が多く緑豊かな美しい土地柄で、フラメンコで有名な南部アンダルシア地方に比べれば人々の気風も穏やかと聞きます。水産業も盛んで、欧米ではイヤがる人も多いタコを普通に食べる習慣もあるのだとか。

私はガリシアへ行ったことがないのですが、なんとなく日本人の感性にあった土地にような気がして、勝手に親近感を覚えている場所です^^。



そんなガリシア出身のカルロス・ヌニェスは、マドリード王立音楽院でリコーダーの技術を学び、なんと主席で卒業しました。

若い頃からリコーダーに加えて、ガリシア地方に伝わる「ガイタ」と呼ばれるバグパイプを吹き、ガリシアに残るケルトの香り漂う伝統音楽を、現代的なアプローチで、激しく、美しく、そして楽しく聴かせます。

実はカルロスは日本にもゆかり(?)があって、スタジオジブリが制作したアニメ映画「ゲド戦記」のメロディーをケルト風にアレンジしたアルバムを制作しています。

もしかしたら、カルロスのことは知らなくても、そういうアレンジアルバムが発売されたことは覚えているという人も、いるかもしれませんね。


『Music from ゲド戦記』
カルロス・ヌニェス



私はゲド戦記を見ていなくてこのアルバムも聴いたことがないんですが、ゲド戦記の音楽ってケルトっぽいアレンジが向いてる雰囲気なんですでしょうかね? そのうち映画を観て確認したいと思います



さて、前置きがだいぶ長くなりましたが^^;  ここでガリシア出身のカルロス・ヌニェスの素晴らしい演奏を紹介したいと思います。







この曲のタイトル 『Mar Adentro』 とは、スペイン語で「海の中へ」という意味です。

海の恵みに抱かれた故郷・ガリシアに対するカルロスの想いが、このタイトルからもひしひしと伝わってきますよね。

メンバー紹介のあと、バックの演奏が穏やかに始まると、カルロスのリコーダーが軽やかに乗ってきます。バックのバグパイプと共に、雄大で豊かな自然を思わせるメロディーを奏でます。

ここでテンポがスローダウン、キーがマイナーにチェンジして、「これぞスペイン!」という雰囲気の、抒情的なメロディーを聴かせてくれます。カルロスもだいぶナルシスティックに入り込んでます(笑)

やがて太鼓が再び土の臭いを感じさせるリズムを刻みはじめ、うねうねと緩急をつけながら徐々にキーがメジャーに変わって盛り上がっていき、最後に再びバグパイプが入って冒頭のあのメロディーが高らかに、壮大に奏でられます。

ここのところの、薄暗い森を抜けたところで一気に視界が明るく開けるような曲展開、そして大自然の美しさを感じさせるようなメロディーが、私にはたまりません。



もう1曲、今度はカルロス自身がガイタを吹いている曲 『Jigs and Bulls』です。先ほどの『Mar Adentro』とはうって変わって激しい曲です。







タイトルにある「Jig(ジグ)」というのは、6/8拍子の「タカタ・タカタ」というリズムで跳ねるようなダンス曲のこと。ケルト系の伝統音楽でよく出てきます。

一方の 「Bull(ブル)」 とは雄牛のこと。スペイン文化の情熱的な部分を象徴する、闘牛の牛を意味しています。

つまり「Jigs & Bulls」という曲名は、ケルト系の文化を今に受けつぎ、なおかつスペインの情熱的な文化も併せ持っている、ガリシア地方(そしてカルロス自身の音楽)のアイデンティティーを象徴するタイトルなのです。

共演としているスキンヘッドの粋なおじさまは、パンチョ・アルバレス。昔からカルロスのバックバンドで彼を見守り、支え続けてきた盟友です。

この曲では、タイトル通り、カルロスのガイタが奏でるジグのメロディーと、パンチョがまるでフラメンコのように激しくかき鳴らすブズーキ(弦楽器)の音が、火花を散らしてぶつかり合います。

メロディーが切り替わったあとの後半では、カルロスは荒ぶる牛をおさえ付けるかのようにバグパイプを抱えて、超高速フレーズを吹きまくり! これはもう、スゴいのひと言です。

これは本当にバグパイプなどという伝統的な楽器の音なんでしょうか?? もはやエレキギターの激しいソロのように聴こえてなりません。



普段は折り目正しい好青年という雰囲気のカルロスですが、ひとたびガイタを持つとまさに人が変わり、何かとりついたかのように圧倒的なカリスマ性とパワーを放ちます。

カルロスはちょっと身体の動きが個性的ですが(笑)、そんなことはどうでも良くなるほどの存在感とエネルギーです。

私はカルロスの音楽が大好きなのですが、彼の演奏を生で見たことがありません(何回か来日してるんですが) 今度来日する機会があったら、ぜひ生のカルロス・ヌニェスを聴いてみたいです。



彼の音楽をもう少し聴いてみたい方には、やっぱり映像がおすすめです。Youtubeで検索してもいいですが(笑)、DVDだとこれがおすすめです:


『Carlos Nunez Y Amigos』 (DVD)



オリジナルアルバムの中では、親しみやすさという点ではコレかな。国内盤は廃盤状態のようなので、輸入盤になります。

有名な映画音楽などのカバーを収めた曲。きっと皆さんの知っている曲も入っているんじゃないかと思います。



『Cinema do Mar』
Carlos Nunez




ただ、私が一番好きなアルバムは  やはりカルロスの2枚目のアルバム、こちらです。


『Os Amores Libres』
Carlos Nunez



なんと総勢100名以上のゲストを迎えて、世界各地のケルト系音楽のエッセンスをまとめあげた意欲作です。

ともすると空中分解しそうな壮大過ぎるコンセプトのこの作品も、カルロスの熱意と技術とによって、見事に1つのアルバムとしてまとめあげられています。

耳なじみがいいポップスとはひと味違う、伝統色の濃い曲もありますが、有無を言わせぬ迫力と、ケルト音楽の懐の広さを感じさせてくれる、すごい一枚です。

 

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