カテゴリー「技術(電気系)」の5件の記事

2013年2月21日 (木)

電磁気学マンガ・挫折の理由

最近の理系大学生向けの教科書の中には、マンガで物理や数学の解説をしてくれるという本が、たくさん出ています。

私の部署に新しく加わった新人くんがいるのですが、先日、大学レベルの電磁気学を一から勉強する必要に迫られた彼は、こんな本を買ってきました:



『東大流 まんが電磁気学』
作者: 石川真之介
講談社




マ、マンガですか・・・^^;


彼は一応ちゃんと理論を身につけたいと言っていたので、「もっと普通のやさしめの教科書から始めたらいいのに」と思ってしまいました。

それでもともかく、彼はやる気をもってこの本を読み始めました。



そして終日後。



やはり彼は

早々と挫折してしまいました(苦笑)



私は雑談がてら、彼に挫折の理由を聞いてみました。

マンガだから、理論そのものの説明を一から書いてあるわけではなく、初学者にはつらかったのではないか、と。

すると彼は「それもあるんスけど、もっとほかに理由があるんです」と言います。

彼が言うには、

  「絵がヘタすぎる」

  「話がベタすぎる」 

  だから読む気がしなくなった

のだそうです。

まあこのへんは勉強しない言いわけのような気もしますが(笑)、そう言われるとどんなマンガなのか気になります。

そこで私はこの本を借りて、パラッと見てみました。



まずこれが問題視する絵柄に関しては・・・

表紙を見て頂いてもわかると思いますが、


確かに ちょっとアレ ですね

よく言えば素朴なテイスト。悪く言うと、ちょっと素人っぽい印象が正直あります。

なんでもこの本は、「東大まんがくらぶ」所属の東大生の作者が、ストーリーや物理の解説の部分から作画まで、基本的にすべて一人で書いたもののようなんです。

そこまでやってしまうとは、素直に感激してしまいますが、正直な話、絵は専門の人に任せたほうがよかったんじゃないかな?^^;



そしてもう1つの問題点、ベタ過ぎるというストーリーのほうは実際どうなのか。

私はパラパラとしか読んでませんが、だいたいこんな感じでした。

(ネタバレ注意)


物語の主人公は高校生の女の子です。


彼女は、ひょんなことから物理の得意な大学生の先輩に、電磁気学を教えてもらうことになりました


難しい電磁気学をわかりやすく教えてくれる、すごい先輩。


学んでいくうち、そんな先輩への好意がつのっていき(笑)


エンディングでは、



  「先輩、教えてくれてありがとう。


  チュッ!





・・・めちゃくちゃベタだわ、これ(笑)




あまりに基本に忠実なので、思わず笑ってしまいました。

しかし、天下の東大まんがくらぶの

ストーリー創作力はこの程度なのでしょうか(こらこら)


新人くんが挫折した理由もわからんではないな、と思いました(笑)



とはいえ、繰り返しになりますが、絵から物語から勉強まで全部やってしまう作者のスキルとバイタリティーには素直に脱帽するしかないですね。

石川先生の次回策(あるのか?)に期待しましょう^^

 

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2013年2月 7日 (木)

ガンバレ家電メーカー! 『日の丸家電の命運』 by 真壁昭夫

ここ数年、日本の家電メーカーや半導体メーカーが苦境におちいっています。

たびたび書いていますが、私は家電メーカーではないものの電気系のエンジニアなので、今後の家電・半導体業界の行く末はとても気にしています。

いまの家電業界の状況を解説(または批判^^)した本は、既にいくつも出版されていますが、私はこれまでそういった本を読んだことがありませんでした。

今回、名古屋へ出張したときに立ち寄った本屋でこんな本を見つけたので、新幹線の車内のお供にと思って買ってみました:



『日の丸家電の命運』 パナソニック、ソニー、シャープは再生するか
著者: 真壁昭夫
出版: 小学館101新書
初版: 2013年2月6日




この本、帯に作家の村上龍氏の推薦文がでかでかと載っています。


  『家電の失速』は、何を象徴し、何を示唆しているのか。

  本書は、そのすべてを解明する。



ずいぶん大げさな言い方ですね。

そんなにハードル上げちゃって大丈夫でしょうか(笑)



この本は、日本の家電メーカー、特に一般消費者向けの製品を多数出している、パナソニック、ソニー、シャープの苦境の原因と、それを乗り越える手掛かりを解説したものです。

著者の真壁氏は、金融機関の研究員や大学教授として経済分析を行なってきた、経済学の専門家です。

業界のことをあまり知らない一般の方でもわかりやすく書かれており(というか、そういう方向けの本だと思います)、「家電が大変だとか言うけど、なんで?」 という方には最高のガイドになると思います。

家電メーカー、総合電機メーカーを志望する就職活動中の学生さんにも、読みやすくてとても役立つんじゃないかと思います。



ただ、電気系の業界の動向を当事者としてそれなりにウォッチしてきた私にとって、この本は若干物足りなかったです。(帯を見て期待し過ぎたのかもしれませんが。笑)

最初の3分の2くらいは、日経新聞の内容を手際良くまとめたようなものという印象で、「新しい情報や独自の提言・分析を、もっと聞かせてほしかった!」 というのが正直な感想です。

そういうわけで、個人的にはちょっぴり期待外れな一冊でした。ただ、最後の2章は、各メーカーの反撃に向けた取り組みが書かれていて、私も知らない内容もいろいろ含まれており、面白かったです。



真壁氏は、家電メーカーの今日の苦境の原因は、ひと言でいえば経営判断のまずさだと言います。

ここ20年くらいで、特に先進国市場においては、作っただけで物が売れるという状況は完全に終わりを告げました。

性能がいいものを作れば売れるという時代から、消費者が喜ぶ独自の価値やコンセプトを提供しなければ、売れない(低価格競争に巻き込まれてジリ貧の)時代になったのです。

また、技術の陳腐化が急速に進み、低価格を武器にした韓国・台湾・中国のメーカーがあっという間に追いついてきました。

本書で取り上げられた家電メーカー3社は、そうした市場環境の変化を経営側が見誤ったうえに、過去の成功経験や前任者の意向にしばられて対策を取り遅れ、たいへんな痛手を負いました。

さて、大事なのは将来に向けてどうするか。

真壁氏が示す処方せんは、こうです。



  日本の企業は今でも高い技術を持っており、さらにアジアなどで

  日本製品への信頼感も依然として高い。

  それを有効に活かすために、経営者は自社の真の強みを活かした

  戦略 (何でもやる、はやってるからやる、はダメ!) を明確に

  打ち出すべきである。

  そうすれば日本の家電メーカーは必ず再生できるはずだ・・・。



なるほど。

これだといかにも評論家らしい一般論という印象で、もうちょっと踏み込んで欲しいなあと私は感じてしまいましたが、ともかく正論ではあります。

私自身の仕事も、家電ではないにせよ同じ電気系で、やはり他社との競争が激化してきています。家電メーカーの苦闘は、まったく人ごとではありません。

そろそろ年度末ということで、ちょうど4月からの仕事の作戦を考えているところです。

「この機会に自分の強みをよく考え直して、今後のポジショニングを考え抜かないといかんな」 と危機感を新たにさせられました。

 

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2013年1月24日 (木)

意外と知られていない?? エレベーターの行き先キャンセル方法

突然ですが、皆さん知っているでしょうか?

最近のエレベーターの多くは、行き先ボタンを押したあと、それをダブルクリックすると取り消せるということを。


今日、会社でエレベーターに乗ったとき、間違えて降りたいフロアの一個手前の階のボタンを押しちゃったんです。

そこで、あわててその階のボタンをダブルクリックしてキャンセルしたところ、一緒に乗っていた人に

  「おお! そんなことできるんだ~」

とやけに感心されてしまったんです(笑)

だから、「もしかすると、みなさん意外と知らないのかな」と思って、紹介してみました。


ちなみに こちらのブログ記事 によると、行き先ボタンを機械的に押し込んで階を指定する昔のエレベーターでは、押したボタンを手で引っ張って戻すことでキャンセルが可能だったそうです。なんだか古き良き時代、って感じですね(笑)

これ対して今のエレベーターでは、行き先ボタンのコントロールは完全電子化されています。

日立ビルシステム、三菱電機、東芝エレベーターの日本の三大エレベータ会社では、ダブルクリックによる行き先取り消しがほぼ標準装備されているとのことです。

せっかく付いている機能ですから、皆さま ぜひお試しください!^^

(他の人が乗ってないときに・・・)

 

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2012年11月30日 (金)

ルネサスエレクトロニクスの電気マンガがすごい

日本の電気業界が危ない! そんなユウウツなニュースが毎日かけめぐってます。

しかし何を隠そう、この私も電気系エンジニアです (笑。いや、笑ってる場合か?

いつ何があっても生きていけるように、力をつけておかないといけないなと強く思う今日この頃です。


ご存じのように、シャープ、パナソニック、ソニーといった一世を風靡(ふうび)した電機メーカーがことごとく大赤字に陥っています。

「産業の米」とよばれる半導体の分野でも、エルピーダメモリが会社更生法を申請した挙げ句にアメリカのマイクロン社に買収されました。

そして、三菱電機、日立製作所、NECの半導体部門を統合して誕生したルネサスエレクトロニクスも危険な状態です。

そもそもルネサスというのはRenaissance Semiconductor for Advanced Solutions、つまりルネッサンス=再生という言葉からつけられた社名なのだそうです。

各社の不採算な半導体事業を統合することで業績を立て直し、日本の半導体産業を守るという、熱い意気込みのもとに誕生した会社なわけです。

ルネサスは自動車用半導体・マイコンの分野では、強い存在感を維持しています。東日本大震災のときに、ルネサスの工場が止まったせいで、国内外の自動車メーカーの生産が遅延したのは、記憶に新しいところです。

しかしそのルネサスも、再生の道半ばにして業績が低迷。今年に入ってついに大規模なリストラを敢行しました。それでも間に合わず、産業革新機構などから1000億円以上の支援を受けて経営立て直しを目指しています。


まあ、電気業界の行く末の話はこのへんにしましょう(それでいいんか?)


さて、最近は多くの大手メーカーが、ホームページ上で技術情報を公開しています。

技術者や理系の学生向けの本格的な情報も多いですが、中には一般の人や子どもに向けて、概要をやさしく解説してくれるコンテンツも少なくありません。

それで、先ほど書いたルネサスエレクトロニクスが提供している一般向けコンテンツが、こちらです。


うーちゃんと電子家の人びと 



これは、電子ゆきこちゃん(ゆっきー)の家に突然あらわれた、電気うなぎのうーちゃんが、電気や半導体についてやさしく解説してくれるマンガなのです。

しかしこの手のマンガって往々にして、教育的な要素が前面に出過ぎてつまらなかったり、「これ、マンガにしなくてもいいんじゃない?」みたいな感じになりがちじゃないでしょうか^^

しかしこのうーちゃんのマンガは違います。絵柄からギャグの盛り込み方まで、本格的にマンガっぽい雰囲気をもたせてあります。要するに、かなりふざけちゃってます(笑)

技術的な内容もあえて絞って、重たくならないように工夫している様子が見られます。はっきり言って力作です!

おヒマな方で、電気の勉強してみよっかなー、という方はぜひどうぞ!


しかし、こんなに気合の入ったマンガを作るパワーがあるんだったら、それをもう少し本業に・・・(それは言わないお約束^^)

 


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2012年6月24日 (日)

成田空港へ&カフェに携帯充電パッド発見

海外から日本にやってくる仕事関係の人を出迎える必要があって、はるばる成田空港まで行ってきました。

しかし到着が大幅に遅れた上に、航空会社の不手際で荷物が行方不明になったりで、もうバタバタ。

結局、丸1日つぶれるかたちになってしまいました(^^;

ただ、せっかく待ち時間ができたので、空港の中を少し歩いてみました。



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成田空港の第1ターミナル入口です。

空港というのは何度来てもワクワクします。

写真の写りが悪くてすいません。私の携帯のカメラはまったくもってヘボなんです。

晴れているのに、雨でも降ってるかのように薄暗く写してしまうネガティブ携帯でございます。



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空港といえば、展望デッキでの飛行機観察ですよね。

第一ターミナルのデッキからは、出発便が数分おきに飛び立つ様子が見られます。

けっこう大勢人がいました。

写真は飛び立つ瞬間の飛行機。・・・ちょっと小さすぎるかな




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成田空港限定のミネラルウォーター「空水」です。

飲んでみると、なるほど空のような爽快な味わいがありました。


すみません、いまウソ言いました ごくフツーの水でした。

「空水 酸素イン」という、酸素が入った高級バージョンも存在するそうです。


ちなみに、赤い服のマスコットキャラクターは「クウタン」という名前らしい。

小太りなんで紅の豚かと思いました。




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空港内のカフェのカウンター席においてあった携帯充電器(パナソニック製)です。

台の上に携帯を置くだけで、ケーブルや端子をつながなくても充電できる充電器です。

この手の充電器ってまだメジャーじゃないですが、昨年あたりから次々に発売されています。

多分、メーカーが充電器の宣伝のために、カフェに置かせてもらってるんでしょう。

電気屋の売り場以外で見るのは、これが初めてでした。

電気系の技術者としては、今回空港で一番気になりったのはコレかな(笑)


この充電器は、qi という国際規格に対応している携帯電話に対して使えるんですが、私のは未対応でダメでした。

ちなみに qi は「チィ」と読みます。これは「気」という漢字の中国語読みです。

ケーブルをつないでいないのに電力が伝わるのがまるで「気」のようだ、ということからその名が付いたそうです。

中国語由来の技術用語が国際的に使われるなんて、珍しいですよね。

これもやはり、中国が現時点で世界で最も成長している市場であるためなんでしょう。



知らない方のために、もう少し補足説明しちゃいます。

ここ数年、「非接触電力伝送」とか「ワイヤレス給電」と呼ばれる技術が、電気業界でにわかにブームになっています。

要するに、ケーブルなどでつながずに離れた物体を充電したり動かしたりする技術(微弱な電波で情報を送るのとは違い、大きい電力を送る技術)を、いろいろひっくるめてそう呼んでいます。

原理はとても古典的なんですが、応用面の技術開発が、ここ数年で非常に盛んに行なわれるようになっています。

私は会社でこれに関する技術開発をしているわけじゃないんですが、業界のはやりのネタは押さえておきたいということで、動向をウォッチしています。


ワイヤレス給電は、身近で伝送電力が小さくて済む、携帯やiPadなどのモバイル端末の充電から実用化がスタートしました。

まあ、正直言って私なんかは「携帯の充電なら、別にケーブルつなげばいいじゃん」と思います(パナソニックさんゴメン!)

でも、水の中や閉じた箱の中など、直接ケーブルをつなぎづらい環境で電力を送るには、ワイヤレス給電は確かに優れた方法です。

また、ケーブルや接続端子がいらなくなることで、製品のデザインの自由度が上がったり、耐久性が高まったり、価格を安くできたりするという効果も期待できます。

将来的には電気自動車を駐車場に止めただけで充電するシステムや、工場のカートや機械等を自動的に充電することなど、多くの分野への応用が考えられています。


ワイヤレス給電で世の中に大きな変化が訪れるのか?

はたまた、業界内部で騒いでいるだけで一過性のブームで終わるのか?

いずれにせよ、これから数年の間の動きに要注目です!

本当はもうちょっと空港話をしようと思ったんですけど、半分以上、電気話になっちゃいました(笑)

たまにはこんな話もしていきたいと思います。

それでは、今日はこのへんで。

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