カテゴリー「科学・技術」の5件の記事

2013年2月19日 (火)

受験参考書スタイルの大学数学教科書の秀作 『マセマのキャンパス・ゼミシリーズ』

ひょんなことから、大学時代に数学の授業で習った偏微分方程式を仕事で使う必要が出てきたため、本屋でそれに関する専門書を買ってきました。

私が大学生のころは、数学や物理の教科書といえば、まじめにガッチリと書かれた、いかにも学術書というおもむきの本ばかりだったように思います。

ですがここ10年くらいの間に、「これは大学受験の参考書か?」と思うような、親しみやすくてわかりやすそうな教科書が増えてきました。

私は性格的に、質実剛健な昔ながらの教科書のほうが好みです。

だけど、忙しい仕事と 家事と ブログ執筆(これは必須じゃないのだが。笑)の合間をぬって読むのには、「いま風」の親切丁寧でわかりやすい本がいいだろうと思って、選んだ本がこちらです:



『スバラシク実力がつく!
  キャンパスゼミ・偏微分方程式』
著者: 馬場敬之、久池井茂
出版: マセマ出版社
初版: 2009年10月26日




この本は、数学や物理のテーマ別にたくさん出ているシリーズ中の1冊です。

見た目からして受験参考書っぽいですよね。

中身も「例題・回答」「例題・回答」・・・という感じで、問題演習重視のスタイルなのが受験っぽい。

式変形の過程もこれでもかと細かく書いてあって、自分で紙に書いて計算しなくてもスルリと読めてしまいます。

イラストはほとんど無いのですが、わかりやすいです。

しかも、帯にはAKB48の柏木由紀似の黒髪のかわいい女の子の写真付き(笑)

これは、入試の勉強スタイルに慣れた大学生にはうってつけの本でしょう (あと AKB好きの人 にも。笑)

ただ、わかりやすいけれども内容は落とさずに、高度なところまでキッチリ書いてあります。ちゃんと読めば、単位取得も大学院入試も楽勝なんじゃないでしょうか。本当によくでてきます。

典型的な問題を解けるようになることに目的を絞るのであれば、ベストの参考書と言ってもいいんじゃないかと思いました。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年2月16日 (土)

隕石衝突でケガ人多数・・・のニュースを見て思ったこと

ロシアで隕石によるとみられる爆発があって、1000人以上のけが人が出たというニュースがありました。

皆さんは映像で見ました? こわいですよね~。

白い雲を引きながら光る物体が空から降りてきたかと思うと、突然あたりがまぶしい光に包まれ、巨大な爆発音と衝撃が伝わってくる・・・

なんだか現実のものとは思えないような光景でした。



隕石というのは、実は頻繁に地球に落ちてきていて、豆粒大の隕石は1時間あたり10個、クルミ大なら1時間に1個、グレープフルーツ大なら10時間に1個という割合で、地球に降り注いでいるのだそうです。(立花隆『21世紀 知の挑戦』より) 

でも、今回の隕石は数mから10m程度の大きさだったと推定されていて、数十年に1回クラスの比較的大きいものでした。

大気が濃い対流圏(地上10kmまでの範囲)に入ったあたりで爆発して粉々になったため、地上にはごく小さい破片が少数落ちてきた程度ですんだようです。

だから、隕石が直接人に当たることはなかったようですが、爆発のときの衝撃波がすごくて、多くの建物のガラスが割れる被害が出てしまいました。

自然というのはすごいものです。

当り前ですが、地球も宇宙の一員なんだと実感させられるニュースでした。



これまで私は、隕石による被害というと、人に直接あたってケガをさせるというパターンだと思っていました。

ゲームのファイナルファンタジーなんかでも(いきなりゲームの話か^^)隕石を降らせて敵をやっつける「メテオ」という魔法があって、隕石が敵にあたるような映像演出がされます。

でも直接隕石が当たらなくても、衝撃波というかたちでこんなに広範囲に被害が及ぶものなんですね。

まったく想像していませんでした。

次回作では、そこらへんの表現を作り直す必要がありそうですね (無いか・・・)

 

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2012年10月 8日 (月)

京大・山中教授のノーベル賞のすごさ

IPS細胞の研究で世界的に有名な、京都大学の山中伸弥教授が、ノーベル医学・生理学賞を受賞しました!

夕方に速報が流れて以来、各局のニュースがこの話題で持ち切りになってますね。

受賞理由になっている研究成果が6年くらい前に発表されたときも、大きな成果として話題になったので、そのうちノーベル賞を取ることは間違いないと思っていましたが、かなり早かったなという印象です。

最近のノーベル賞受賞者は、数十年前の業績が今認められて受賞、ということが多いようですから。
ともあれ、科学者にあこがれた(そして撃沈した。苦笑) 自分にとって、すごく嬉しい、ワクワクさせられるニュースです。



ではこのIPS細胞とは、いったい何がすごいのか。

私はIPS細胞の詳しいことは知りませんが、調べた知識を自分なりにまとめてみたいと思います。正確な情報については、他の信頼できるサイトを見てください(笑)

IPS細胞(Induced Pluripotent Stem cells)とは、適切な条件のもとで培養することで、からだのあらゆる臓器に変化させることができる細胞です。

臓器を再生する医療や、薬の研究開発などに役立つとされ、ここ数年、大きな注目を集めています。

実は山中教授らによってIPS細胞が作製される以前にも、こうした様々な臓器に化ける「万能細胞」は発見されていました。

しかし、それは生物の受精卵から作るものでした(ES細胞)。

受精卵は、正常に成長すれば立派な生き物になる細胞であって、生物そのものとさえ言えるものです。
だから受精卵に手を加えることに関して、倫理的に問題だとする意見も多く、ES細胞の研究はなかなかスムーズにすすまない状況にありました(特に日本では)。

しかしIPS細胞は、皮膚など、生殖細胞と関係ない細胞から作ることができるため、倫理上の問題が起きにくいのです。これが、ES細胞などと比べてIPS細胞が注目される最大の理由ではないかと思います。

(もちろん、生命の根源に関わる技術である以上、今後研究が進めばどこかで必ず、倫理的な線引きの問題が表面化してくるはずですが)

またIPS細胞を用いると、患者自身の皮膚などの細胞から目的の臓器を作ることで、副作用の少ない臓器の作製・移植が可能になるのでは、と期待されているようです。



ところで、山中教授の独創的な研究内容自体がすごいのは間違いないですが、それ以外に私がすごいなあと思うことがあります。

それは、IPS細胞の研究を世界レベルに保って推進するために、国に協力を要請したり、新しく創設されたIPS細胞研究センターの所長となって100名を優に超えるだろう研究者を束ねるなど、大きな動き作りとマネジメントを引き受け、それに成功していることです。

こうした大きい動きを取るためには、狭い研究分野のプロフェッショナルであるだけでは明らかに不十分です。
戦略的な特許取得、臨床試験のための法律の整備が不可欠なこの分野では、大学や国を巻き込んで大きな事を動かさなくてはいけません。

また研究するにあたって国際的な協力は必要ですが、海外の競合グループに負けないようにタフに賢く立ちまわらなくてはいけないでしょう。

それぞれに関心のあるテーマがあり、能力も高ければプライドも高い研究者をまとめるということ自体も、大変なことだと思います。
こういった諸々のことを、速いスピードで研究が進むこの分野で、スピード感を持って決断・実行していかなくてはいけない。

このヘビーな仕事には、強いリーダーシップ、発信力、交渉力が必要です。完全に、経営者的な素質が必要に違いないと思います。

山中教授は、学生時代にラグビーに明け暮れたそうですが、そこで育んだチームワークや判断力というのが、大研究グループのリーダーとしての活躍につながっているのかもしれません。



ちなみに50歳でのノーベル賞受賞は、歴代4位の若さだとか。まだまだこれから活躍されることでしょう。

これからしばらく、マスコミから騒ぎたてられて大変だと思いますが、くだらないインタビューなどは適当にあしらいながら(笑)、本業の研究でがんばってほしいです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年8月10日 (金)

太陽磁場の異常で地球が寒冷化する?

お盆前の仕事が終わりました。来週は一週間、じっくりお休みを取ります。嬉しいっす!

昨日はお盆前の最後の客先訪問に行ったんですが、そのとき乗ったタクシーの運転手さんが相当な話好きでした。

オリンピックや甲子園の話から始まりましたが、なぜか途中から話題が宇宙へ。

夏至と当時で太陽の沈む位置が地軸の傾き×2だけ変わるから・・・とか、何かと詳しい運ちゃん(笑) 元学者なのかな? それとも天文マニア?

その運ちゃんは、さらにこんな話題を振ってきました。


  運転手 「いま、太陽の磁場が4極になってるらしいじゃないですか」

  ネリノ 「え、そうなんですか? どこでそんなこと知ったんですか?」

  運転手 「いや、ほら、Googleで調べてごらん、出てくるから。

       でね、磁場が4極になると、その後必ずミニ氷河期が来るって

       いう話ですよ。来年あたり寒くなるんじゃないですか?」

そんなバカな!

なんかあやしい話だなあ、それ!

というか、そもそも太陽の磁場が4極なんて話は全然知らなかったです。

一応、大学で宇宙の研究室に所属してたんですけど・・・(苦笑)

何やらとても気になる話なので、さっそくネットで検索して調べてみました。



実はこの話は、今年の4月に新聞なんかにも書かれるくらい話題になった話らしいです。

ネットで検索すると、「太陽:磁場が「4重極構造」に…地球、一時的に寒くなる?」なんていうタイトルの毎日新聞の記事が、確かにヒットしました。

理科学研究所もこの件についてわざわざプレスリリースを出しています。

また、一般社団法人サイエンス・メディア・センターが取材した、専門家による解説 も見つかりました。


一連の情報を、私なりにやさしく要約してみたいと思います。

地球と同じように、太陽も磁石の力を持っています。最近までは、太陽の北極側がS極、南極側がN極の1つの磁石のようになっていました。

ところで、太陽では一定の周期でS極がN極に、N極がS極になる、つまり太陽の磁石の向きが反転することが知られています。次の反転は2013年5月頃に起こると予想されていました。

南極側は、当初の予想どおり、いまもまだN極のままです。しかし北極のほうは、なぜだかわかりませんがフライングしてしまい、予想より1年以上早くS極からN極に変わりつつあることが、最近の観測からわかったのだそうです。

そうするとどうなるか。

近い将来に、北極も南極もN極という状態になると予測されます(あるいは記事が数カ月前なので、既にそうなってるかも)。

この場合、間の赤道付近がS極の役割を果たすことになります。つまり、太陽の北半球と南半球で、別々にS極とN極の組みが出現する、つまり太陽に磁石が2個存在するような状況になります。

これが、「磁場の4重極化」と呼ばれる状況なわけですが、これは太陽の振る舞いを細かく観測するようになった20世紀以降に観測されたことがない、特殊な状況です。

ですが、17世紀後半に地球が寒かった時期(マウンダー極小期)があり、そのときも太陽が同様の状態だったのではないかという説があり、だとすると今後、地球が寒冷な時期がくるという可能性も否定はできなそうです。


ということで、運ちゃんの話はトピックとしては正しいようでしたが、仮説レベルの話を確実な話のようにかなり話を盛ってしゃべってたようです(笑)

結局このニュースは、「研究者が自分の研究の成果を一般の人にアピールするために、仮説段階の寒冷化の話をあえて持ち出した」 という面が強いんじゃないかと思います。

こう書くと意地悪に聞こえますが(笑)、一般の人にわかりやすくするために身近な影響の例を持ち出した、という言い方もできるでしょう。

いずれにしろ、私は今のうちにホッカイロを買い溜めしとこう、などという気はありません(笑)



| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年7月21日 (土)

H2Bロケット3号機、打ち上げ成功!

今日の午前11時過ぎに、H2Bロケット3号機の打ち上げがありました。

国際宇宙ステーションへ食料などを運ぶ宇宙船「こうのとり3号機」を載せての打ち上げです。

打ち上げは無事成功です! あとは、6日後に待つこうのとりの宇宙ステーションへのドッキングに向けて、運用を続けるそうです。

HTVやロケットの関係者の皆さんに(私の学生時代の後輩も関わってるはず)、心から拍手です!


JAXAは最近のロケット打ち上げではほぼ必ず、Youtubeでのライブ中継や、Twitterでのリアルタイムツイートをやっています。

私は今回はじめて、Youtubeで打ち上げ生中継を見たんですよ。

打ち上がった後、白煙の尾を引いて青空をロケットがずーーーっと上昇していく映像を期待したんですが、今日はあいにくの天気。

雲が低くたれこめていて、打ち上げ後ものの10秒くらいでロケットは雲の中へ

正直、えーーーー!?って感じでした(笑)


このJAXAの生中継ですが、単に固定カメラの映像を流すだけかなーと思ったら、立派なテレビ番組風に構成されていて感心しました。

スタジオと打ち上げ現場をつないで解説も加えながらの放送で、打ち上げ後は時おりロケットに搭載したカメラからの映像も入る感じ。

また、発射後のロケットの軌道を3次元的に絵で示したりしていたんですが、その画面の右下に「Google Earth」の文字が・・・。

Youtubeで中継して、軌道情報までGoogleで表示。

どんだけGoogleにお世話になってるんでしょうか(笑)

Google、おそろしい会社ですね~。


Youtubeの中継映像の右側にはコメント欄があって、視聴している人のコメントがリアルタイムで表示されていました。

英語、スペイン語、日本語、顔文字・・・かなりの数のコメントがじゃんじゃん流れていきます。

ロケットの発射音を叫ぶ人やら、打ち上げまでの残り時間を連呼する人やら、みなさん興奮状態でした。「日本語で何て言ってるの?」なんて尋ねる英語コメントもちらほら。

こういうリアルタイムコメントは、実際に大勢と一緒に打ち上げを見ているような、臨場感や高揚感を味わえて面白いもんですね。

ただ、やっぱりお下品なコメントもかなり多かったです。

「爆弾だ~!」とか「○○国に撃ち落とせ」からはじまり、どさくさに紛れて「FUCK」とか「ウ○コ!!」とかも(苦笑)

くだらんな~、どうせチャチャを入れるなら面白いこと言ってよ、と思いますが、こういうのはネットではしょうがないですね。


ちなみに今回の打ち上げは、何年かぶりに夏休み期間にあたったそうで、打ち上げ場所周辺の宿はゴールデンウィークの時点でほぼ満杯だったらしいです。

天気はあいにくでしたが、きっと家族連れで打ち上げ現場はにぎわっていたでしょうね。

やっぱり宇宙というのは、いくつになっても夢や想像やあこがれをかきたててくれるものだと思います。

ちなみに実は私も子どものころから宇宙にあこがれて、大学院で宇宙系の研究室へ行きましたが、みごとに挫折して今は普通の地上人です(笑)

けれど、多感な小さい頃に抱いた広い宇宙へのトキメキは、いくつになってもなくならないものです。

私はこれからも、宇宙開発や研究を陰ながら応援していきたいと思います。



| | コメント (6) | トラックバック (0)