カテゴリー「音楽>クラシック」の5件の記事

2013年2月 8日 (金)

宗教の枠を超えた祈りの音楽・・・クリュイタンス指揮 『フォーレ:レクイエム』

今日は、数あるクラシック音楽の中でも、私の中でベスト10に入るこちらの名曲、ガブリエル・フォーレ作曲の『レクイエム』 について書きたいと思います。

レクイエムというのは、キリスト教(カトリック)の死者を弔うミサで歌われる合唱曲です。「鎮魂歌」という訳を当てられることもありますね。

キリエ、サンクトゥス、アニュス・デイなどといったいくつかのパートから成っていて、それぞれに決まった歌詞を持っています。

元々は宗教上の儀式の歌なわけですが、クラシックの作曲家の多くもレクイエムの歌詞へ曲をつけています。



クラシックの世界で、いわゆる「3大レクイエム」と言われるのが、モーツァルト、ヴェルディ、そしてフォーレの作品です。

そのうち、私がダントツで好きなのは、フォーレの作品です。

フォーレは19世紀に活躍したフランスの作曲家で、主にピアノやヴァイオリンなどの室内楽や宗教曲の分野で、多くの傑作を書き遺しました。

レクイエムは、フォーレの作品の中でおそらくもっとも有名で、もっとも人気の高い曲です。

では、全7楽章から成るフォーレのレクイエムのうち、特に美しい最終楽章の「イン・パラディム(楽園にて)」の映像をどうぞ! (NHKの番組の映像でしょうか?)





ああ、なんて穏やかな、素敵な音楽なんでしょうか! まるで天上から降ってくるかのような調べです。

静かなオルガンの響きに導かれるようにはじまり、やがて空間に溶け込むように消えて行く歌声は、果てしなく美しく、包容力にあふれています。

三大レクイエムの1つ、ヴェルディのレクイエムなんかは、死への恐怖と抵抗を表わすような、激しくアップダウンが多い劇的な音楽です。まるでオペラのようです (私はずばり苦手^^;)

それに比べると、フォーレのレクイエムは、死をおだやかに受け容れる雰囲気にあふれています。

私はクリスチャンではないですが、この曲を聴いていると、何か大きな存在に包まれ、苦しみも悲しみもすーーっと消えていくような感覚を覚えます。

キリスト教という枠を超えて、ぜひ多くの人に聴いて欲しい作品です。



さて、私がはじめてこの曲を聴いたのは、このCDででした。

『フォーレ:レクイエム』
コルボ指揮、ベルン交響楽団、クレマン(アラン), サン=ピエール=オ=リアン・ドゥ・ビュール聖歌隊、フィリップ・フッテンロッハー
ワーナークラシック
1972年録音

3年くらい前に何となくクラシック音楽を聴き始めた私は、何から聴いていいかわからなかったので、


  「ワーナーが安い名曲シリーズ(ワーナークラシックベスト100)を

   出しているらしいな。 よし、全制覇してみよう!



といきなり高い目標を立てました(笑)

以来、ワーナーのベスト100をちょこちょこ買っては聴いていたんですが、その中の1枚がコレだったんです。

その当時は、出会ったタイミングが悪かったからか、特にこれといって強い印象を受けませんでした。

ところが、わりと最近にレンタルしたこちらのCDを聴いて、この曲の魅力にズボッとはまってしまったんです。



『フォーレ:レクイエム』
クリュイタンス指揮、パリ音楽院管弦楽団、エリザベート・ブラッスール合唱団、アンヘレス、ディースカウ
EMIクラシックス
1962年録音




前者のコルボ盤は、透き通ったような美しさ、どこまでも穏やかな雰囲気が印象的な演奏で、多くの人に支持されている名盤です。

でも、個人的には後者のクリュイタンス指揮のほうが好きです。楽曲自体がもつ透明感を大事にしながらも、祈りの切実さのようなものも感じさせてくれます。

すこし古い録音ではありますが、おすすめです。



ちなみに、クリュイタンス盤を聴いて自然にこんな感想が浮かびました。


「ああ、自分のお葬式ではこの曲をかけて送り出してほしいなあ・・・」


そのあとでネットを見てみると、実は 同じことを思っている人がわんさかいる ということがわかりました(笑)

そうだよなあ、この曲聴いたらそう思っちゃうよなあ^^

 

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2013年1月11日 (金)

【Music】『ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番』 by ジョン・ナカマツ (p)、ロチェスター・フィル

すっかりクラシックにはまっている私ですが、一番好きな曲は何かと言われると、何といってもコレということになります。

ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番です。

私はもともと「ピアノ協奏曲」というジャンル、つまりオーケストラ付きのピアノ曲が大好きです。ピアノの音そのものが好きだし、しかもオーケストラとの共演(競演?)まで楽しめてお得なので^^

その大好きなピアノ協奏曲の中でも、この曲は私の中でダントツ一位です。世の中的には第2番のほうが有名で人気だという話ですが、私はやっぱり3番ですね。

やや静かに薄暗い雰囲気でスタートするこの曲。 もの寂しげだけど、とても美しいフレーズのオンパレードです。

そして最終楽章のラストでは、昇天してしまうほどロマンティックな盛り上がりを見せ、明るく華々しく終結します。この部分は何度聴いてもとろけます(笑)

ずいぶん昔、どこかの某男性誌で、「ラフマニノフのピアノ協奏曲を聴いて●●ない女はいない」みたいなことを書かれていて「なんじゃそりゃ」と思ったものですが、この曲を聴いてみて「確かに!!」と納得しました(笑)



この「第三番」、ピアニストに極めて高度な演奏技術を要求することで知られます。

聴く方は気楽に「ロマンティックだ」とか言ってられますが、演奏するほうは相当大変そうです。

私はこの曲のミニスコア(楽譜)を持ってますが、ピアノパートの楽譜は細かいおたまじゃくしの行列です。

作曲者のラフマニノフは、自身が凄腕のピアニストであり、1909年の初演時も自らピアノを弾きました。しかも巨大な手をしているため、片手で1オクターブ半離れた鍵盤を同時に弾くことができたそうです。

そんな すご腕かつすご手(?)の彼が、自分での演奏を念頭に作った曲ですから、そりゃ難しくなってしまうわけです。

でも、ピアニストが自分の演奏技術を見せつけるのにうってつけの曲ですし、曲自体もすばらしいものなので、「これを弾きたいと思わないピアニストはいない」とも言われます。

っていうか、私も弾きたいです!(絶対無理。笑)



さて、クラシックはよく演奏者によって全然違って聴こえるから、同じ曲を聴き比べるのが楽しい、なんてよく言われます。

私は、クラシックを聴くようになる前は、「アレンジなしのまったく同じ楽譜を弾いたら、同じに聴こえるに決まってるだろ」 などと思ってましたが、実際、ほんとに相当違います。

むしろ、楽譜が同じであるだけにいっそう違いが際立って感じられる、と言えるかもしれません。

特にこの曲は、テンポの揺らし方、間の取り方、強弱の付け方の幅が広く、演奏者やオケによる違いが如実に出ると思います。

だから、私が聴いた20枚以上ものCDの中には、正直あんまり肌に合わないというものもたくさんありました。

その中で、演奏、録音状況、すべてが私のフィーリングにピッタリ来た「暫定マイベスト」がこちらです:


『ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番』
カップリング: パガニーニの主題による狂詩曲
 ジョン・ナカマツ(ピアノ)
 ロチェスター・フィルハーモニー管弦楽団
 2001年9月11日発売 (9.11の日ですか・・・)

ピアニストのジョン・ナカマツ氏は日系アメリカ人。音大でアカデミックに音楽を学んだ経験がなく、ドイツ語の教師をしていたという、一風変わった経歴を持っています。

教師をしながらピアノを弾き続け、1997年のヴァン・クライバーンコンクールでGold Medalを獲得したことをきっかけに演奏家としてのキャリアを踏み出しました。

彼の演奏は、一聴したところおとなしく聞こえますが、内部にしっかりと熱を持っていることがわかります。

やたらと技巧を見せびらかすのではなく、音の流れをつむぎ出すような演奏ぶりが、私のこの曲へのイメージとピッタリです。録音も良いです。

あまり有名な録音ではないと思いますが、米国アマゾンのレビューでも評価が高いです。この曲が好きな方や興味のある方に、オススメいたします!

ちなみにアマゾンではmp3版もダウンロードで購入できます。

Rachmaninov: Piano Concerto No. 3 & Rhapsody on a Theme of Paganini



最後に映像をご覧ください。

ジョン・ナカマツが賞を取った1997年のヴァン・クライバーンコンクールの映像です。

ナカマツの「ラフ3」は4:30あたりから。最終楽章のラストの部分です!

ちなみに0:00からの演奏は、以前紹介したプロコフィエフのピアノ協奏曲第3番(ピアニストは別の人ですが)。

この2曲は、各種ピアノコンクールですっかり定番になってるようです。



  

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2013年1月 4日 (金)

【Book】『伊熊よし子のおいしい音楽案内』・・・ラ・フォル・ジュルネの予告編

もはやゴールデンウィークの恒例行事になった、クラシック音楽の祭典『ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン』が、今年も開催されます。

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン ティザー(予告)ページ

公演もイベントも盛りだくさんで、クラシックのマニアからまったくの初心者まで、お祭り気分で楽しめてしまう、人気のイベントです。

今年のテーマは「パリ、至福の時」

19世紀後半から20世紀初頭にかけてのパリは、音楽だけでなく、文学、美術にいたるまで、当時の最先端を走る作家やアーティストが集う、まさに「芸術の都」でした。

それまでイタリアやドイツを中心として発展してきた「クラシック音楽」は、19世紀に入ってフランスで新しい花を咲かせることになりました。

今年のラ・フォル・ジュルネでは、ドビュッシー、ラヴェル、サティなど、この時代のフランスを代表する音楽家たち、そして隣国スペインからパリへやってきて活躍した作曲家たちの作品が、たくさん演奏されるようです。

最近、クラシックのCDを聴くようになったものの、コンサートにはまったく足を運んでいなかった私ですが、このイベントをきっかけにそろそろコンサートデビューしたいなあ、なんて思いながら続報を楽しみにしているところです。


さて、2013年の「ラ・フォル・ジュルネ」の予習テキストともいうべき、こんな新書が出ているので、読んでみました。

(実際、本の帯にはイベントの告知が載っていました)


『伊熊よし子のおいしい音楽案内』
伊熊よし子・著
PHP新書
2013年1月7日初版 (私は去年買ったけど。笑)





著者の伊熊よし子さんは、自身も音大で学んだ経験のあるクラシック音楽ライター。

伊熊さんがどのくらい知られている方なのかわからないですが、自身の名前を本のタイトルに入れるとはすごいですね(笑)


それはともかく、この本ではフランスとスペインの作曲家・演奏家の生誕の地、活躍した街を訪ねた経験に触れながら、彼らの音楽の魅力が紹介されています。

比較的マニアックな情報も含まれていますが、ウンチク披露的な嫌みがなく、音楽に対する愛情や思い入れが素直に感じられて、読んでいて快いです。

まったく知らない作曲家や演奏家の話でも、「ちょっと聴いてみたいな」と思わせられます。

知識を得るために気合いを入れて読むような本というより、音楽好きの友人の語りに耳を傾けるような、気楽で楽しい読み方がGoodだと思います。

クラシックが好きになりだした方、2013年のラ・フォル・ジュルネが待ち遠しい方にオススメします。

 

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2012年8月15日 (水)

【Book】『ロシア音楽はじめてブック』・・・表紙はかわいいけど中身は硬派

毎年ゴールデンウィークに開催されている、クラシック音楽の祭典といえば「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」です。

元々フランスで始まったクラシック音楽祭ですが、2005年から日本で開かれるようになりました。(メインは東京。最近は金沢などでも開催)

クラシックの音楽祭というと、ファンしか行かない、堅苦しい、というイメージがありますが、それを打破して誰でも楽しめる場にしようというのが、「ラ・フォル・ジュルネ」のコンセプトです。

毎年、特定の作曲家やジャンルなどをテーマとしてとりあげ、それに沿った公演(一部無料のものも有り)が複数の会場で同時並行で開かれます。

イベントや企画もいろいろあり、ロックフェスのクラシック版という感じの、ワクワクするような雰囲気があります。(そもそも「ラ・フォル・ジュルネ」とはフランス語で「熱狂の日」という意味)

嬉しいのが、チケットが1公演あたり2000円~3000円程度で、時間も1時間以内であること。「何時間も座るのはちょっと・・・」「高いのはちょっと・・・」という初心者にも、たくさんの公演をはしごしたいマニアにも嬉しい設定です。

私も2005年の第一回(テーマはベートーヴェンでした)に行きましたが、当時まったくクラシックに関心のない私でも楽しめました。

まだ足を運んだことがない方は、一度行ってみるとおもしろいんじゃないかと思います。


さて、このイベントの開催時期は、さっきも書いたとおり、ゴールデンウィークです。

今年のはとっくに終わってます。

じゃあなぜ今ごろこんな話をしているのかというと(笑)、最近読んだ本に関係あるからです。

今年2012年の「ラ・フォル・ジュルネ」のテーマは「ロシアのクラシック音楽」でした。

そしてそれにあわせて出版された、音楽祭のパンフレット的な位置づけの一冊がコレです。




『ロシア音楽はじめてブック』
著者: オヤマダアツシ
出版: アルテスパブリッシング



前にも書きましたが、私はロシアの作曲家のプロコフィエフにハマってまして、ロシアのクラシックにすごく興味があるんです。

だから、今回私は「ラ・フォル・・・」には行けなかったんですが、今さらながらこの本を読んでみました。

ちなみに発行元のアルテス・パブリッシングは、主に音楽の書籍を出している比較的新しい出版社ですが、硬派で力の入った書籍を出し続けていて、私のお気に入りの出版社の1つです。


この本、表紙がかなりかわいいし、「はじめてガイド」なんていうタイトルなので、クラシック初心者向けかなあと思いましたが、ちょっと違いました。

おそらくこの本が一番ぴったりくる読者は、「クラシックを少しは聴いていて、ロシアといえばチャイコフスキー、ラフマニノフくらいは知ってるけど、他の作曲家のことも知りたい」という人だと思います。

作曲家ごとに作品やエピソードを並べるスタイルで書かれていて、CDのライナーノーツのような硬派な文章が淡々と並んでいるので、読み物として通しで読むのはなかなかキツいかも。

「ロックの名盤ガイド」みたいな本と同じ感じで、これから聴く作品をセレクトするために拾い読みする使い方がいいような気がします。

ちなみに私はこの本のおかげで、「耳にしたことはあるけど、誰の何という曲かわからない」という曲のうちいくつかの正体を知ることができ、なかなかおもしろかったです。

その曲を2つほど、最後に紹介したいと思います。特に後者は、多分ほとんどの日本人が聞いたことがある曲じゃないかな。



『オペラ <ルスランとリュドミラ> 序曲』
グリンカ 作曲



先日、NHK Eテレの「ららら♪クラシック」っていう番組(すごいタイトルだな)をチラッと見たとき、この曲をやってました。




『組曲<道化師>より ギャロップ』
カバレフスキー 作曲



運動会の定番! 



それにしても最近は、タイトルさえわかればどんな曲でもたいていYoutubeで視聴できちゃうんだから、ありがたい(ある意味、味気ない)時代になりましたね~。



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2012年7月 5日 (木)

クラシックソムリエ検定に申し込んでみた

ここ数年、クラシック音楽にはまってしまってる私ですが、たまたま立ち寄った本屋でこんな本を見つけて、思わず買ってしまいました!



書名: クラシックソムリエ検定公式テキスト
出版: ぴあ



検定っすかぁ・・・なんだか懐かしい響きです。

5年前くらいですかね、「趣味検定ブーム」「ご当地検定ブーム」みたいなのがあったのは。

特に仕事に役に立たないけど、趣味をいっそう楽しむことを目的とした(または単にネタとして受けるための)検定がたくさんできて、話題になりましたよね。

けれど、そのうち大部分は1回や2回だけで終わってしまったようです^^;

中には「Car検定」とか「音楽検定」とか、参加者の裾野の広そうな検定もありましたが、それらも次々と姿を消してしまい、ブームはすっかり沈静化したように思います。 

最近も、調べてみるとまだいろいろな検定があるようですが、あんまり話題として聞かないですね。


そんな中、「クラシックソムリエ検定」なるものの第1回が、9月30日に行なわれることになったそうです。

本を見るまで、私もこんな検定があるということは、全然知りませんでした。

クラシックなんてずいぶんファン層がしっかりしていそうなジャンルですけど、今までこういう大々的な検定ってなかったんですかね?

検定ブームがすっかり治まった今、こうして始めるということですから、すごく気合いが入っているに違いありません。



この本は、検定試験の公式テキストという位置づけですが、試験とは関係なしにクラシックの入門書としてなかなかGoodだと思います。

クラシックの簡単な歴史と作曲家列伝みたいなところから始まって、名曲紹介、オケのよもやま話、コンサートの楽しみ方など、ひととおりのことがわかっちゃいます。

イラストも交えて見やすくコンパクトにまとまっているので、面白そうです(まだ読んでないんですけど)



というわけで、本を買ったついでに、検定のほうも即日申し込んじゃいました!^^

我ながら、3年前はクラシックを敬遠していた人間とは思えないようなハマりかたです。

ちなみにどうでもいいことですが、試験のオンライン申込フォームの生年月日欄で、年を選択する部分の初期値が 1893 年 でした。

おいおい!

世界最高齢の方がこの試験受けますかい??

初期値の設計までクラシック でちょっとウケました(笑)


クラシック好きで興味のある方は、受けてみたら面白いんじゃないかと思います。

ただ、第1回はエントリー(初級)レベルのみだそうです。

私にはちょうどいいレベルかもしれませんが、クラシックファン歴の長い方には物足りないかもしれませんね。


日本クラシックソムリエ協会
検定の案内・申し込みもこちらへ。

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